バイオマテリアル 人工臓器の材料
バイオマテリアル・・・簡単にいえば人工臓器の材料のことです。金属、セラミック、合成高分子などの材料がありますが、コラーゲンも重要なバイオマテリアルの1つです。しかし元々体の中にない物質を入れると異物反応をおこします。マクロファージや線維芽細胞などが集り、線維芽細胞がコラーゲンをどんどんつくって、コラーゲンのカプセルで異物を包み、正常な組織の細胞が接触しないように隔離します。ところがコラーゲンはもともと体の中にある物質なので異物ではありません。しかも異物でないだけでなく、細胞の足場になる、細胞ととても仲のよい物質です。この点で、コラーゲンは非常にすぐれたバイオマテリアルです。ただし、バイオマテリアルとして用いるコラーゲンは人間のコラーゲンではなく、異種のものであるウシやブタなどのコラーゲンです。
コラーゲンは抗原性が弱いタンパク質
タンパク質は、同じ機能をもつものであっても、生物の種類が違うと構造が違います。それゆえ異種の生物のタンパク質が体の中に入りこむと、体はこれも「異物」とみなします。異物(抗原)に対しては、それと結合する抗体をつくって排除します。コラーゲンは他のタンパク質に比べて、抗体をつくりにくい、抗原性の弱いタンパク質です。?型コラーゲンは抗原性が大変弱いことが知られています。コラーゲンの分子はとても特殊な構造をしています。そのために動物の種類が違っていても構造はよく似ていることなどにより、異物とみなされにくいようです。それでも、動物の種類がちがうとやはり構造は少しちがいます。コラーゲン分子の中ではテロペプチドが抗原性の強い部分です。そこで、ペプシンなどを働かせてテロペプチドをとり除き、アテロコラーゲンにすると抗原性はずっと弱くなり、非常に抗体ができにくいわけです。この点もコラーゲンがバイオマテリアルとしてすぐれている点です。